間モナク 第四話
その机を見たとき、俺は何も理解できなかった。
何ら変哲もない、どこの小中高校で見るようなパイプ足の学習机。
その上に、一つの飾り気のない花瓶があったのだから。
クラスのみんながその花瓶を一点に集中して見つめるというシチュエーションは、あたかも儀式的で、少しだけ寒気を覚えた。
「…はっ、冗談きついよ。こんなさ…」
気づけば、俺はそんな言葉を口走っていた。
気持ち悪さを揉み消すためだったんだ、きっと。
だって、山崎は昨日まで、少なくとも放課後俺たちと別れるまでピンピンしてたじゃないか。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2025/4/12 15:51
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