アイスコヒー

アイスコヒー
 カランとグラスの中で氷が転んだ。  季節は夏真っ盛り。  冷房の効いたこの部屋で、ダイニングチェアに座った彼女は不機嫌そうに口を尖らせている。ただじっと、何かに耐えるように、俯きながら表面の濡れたグラスを見つめていた。  テーブルの上には整列された文字の中に、独特な形をしたかわいらしい文字や、主張が強い赤色で丸やらバツやら数字やらが書かれた紙が数枚置かれている。 「愛美、わかってるの! こんな点数とってて、総武高校受かると思ってるんじゃないでしょうね」 「だから、お母さんが行けって言った高校は行かないって言ってるじゃん! 私は自分で行きたい高校探すの!」  愛美は椅子から立ち上がるようにバンとテーブルを強く叩いた。  ガタンとグラスが揺れ氷が跳ねると、一緒に跳ねた液体が少し溢れた。溢れた液体は紙に飛び散り、白い部分をじんわりと茶色く染めていく。 「お母さんはあなたのためを思って言ってるの! 良い高校入って、良い大学に行って、良いところに就職して良い男を捕まえなさい!」 「良い高……って、なんでこの歳で結婚のことまで言われなきゃいけないの!」
YasuAki小説執筆中…(›´ω`‹ )
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Pixivにて小説執筆中&ニコニコ動画で「叩いてみた」配信中ヽ( ▼∀▼)ノ フォー!!最近はアニメ&本の虫((((( ´・ω・`)ブーン 演奏のお誘い等はtwitterのDMでΣd(。・`ω・´)ビシッ!!