古典JKの恋 三

古典JKの恋 三
このもどかしさは昔からあると知ると少し、ほんの少しだけ前を向いていれる。 いえばえにいはねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな 昔、男がつれない女に慕う気持ちを詠んだ歌である。口に出して言おうとすれば言えず、言わなければ気持ちが落ち着かなくなって、私の心のだけで嘆くばかりのこの頃だ、と。とても共感できるのでは無いだろうか? 私が所属している白羽西高等学校、略して西高は指折りの進学校である。皆受験に重きを置いていて、そのために別れるカップルが多いらしい。そして今日、噂に精通しているAちゃんが衝撃事実を話した。 「Kくんとはるちゃんがさぁ、やっぱそろそろ受験だし、距離置くらしいよ。」 「ええ〜そうなの、亜美?はるちゃん達優等生だし乗り越えれそうだと思ってたけどなぁ」
倚吏
倚吏
倚吏(より)です よろしくお願いします 受験期を無事終えてゆっくり執筆を再開中。