贖罪と逃避行

「おい!止まりなさい!」 若い警官と中年の警官が声を荒らげて追いかけてくる。男性の太く響く声の迫力を背中で感じながら、俺は振り返ってはいけないと再認識した。 ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、、! そう、ただひたすらにぶつぶつと小さく呪文のように口元で唱えながら俺は夜の街中を走り続けていた。 人を飛ばし、ネオンの看板にぶつかってよろけて、体の部位は集中させれば全て痛い気がした。それでも止まることのできない理由があった。
夜音。