フレイル=サモン〈CLⅧ〉

フレイル=サモン〈CLⅧ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・ハーブ魔導士の家〉  テーブルの中央に置かれているのは、出来立ての昼食だった。薄らと湯気すら立ち込めるその料理は、正式な名前をアルラーニョという。 「シノ、ちゃんと手は洗ったか?」 「もち!」 シノは小さな掌を開き、ラノスの前に突き出した。無事合格を貰ったため、そのまま机上に向き直る。  小皿に取り分けられた麺料理に狙いを定め、フォークの先端を山盛り麺の中腹辺りに刺す。 シノはママトソースが彩る真紅の麺を顔の高さまで持ち上げた。ソースの甘酸っぱい匂いの奥に、どこかハーブ草のような深い苦味も感じられる。 「お味はどう?」ハーブは特に初食者のシノとラノスに問い尋ねた。調理した本人として、第三者の意見は積極的に取り入れたいらしい。 「うん!おいひい!」
クリオネ
クリオネ
来年度まで活動休止中〜♪ ※注釈※ 時折り過去話に手を加える事があります (大きく変えた場合は報告します) 定期的なご確認をお願いします。 novelee様の不具合か、 長い文章の一部が 途切れている場合があります。