フレイル=サモン〈CLⅧ〉
サウラ国領土〈ジェノバ中央都市・ハーブ魔導士の家〉
テーブルの中央に置かれているのは、出来立ての昼食だった。薄らと湯気すら立ち込めるその料理は、正式な名前をアルラーニョという。
「シノ、ちゃんと手は洗ったか?」
「もち!」
シノは小さな掌を開き、ラノスの前に突き出した。無事合格を貰ったため、そのまま机上に向き直る。
小皿に取り分けられた麺料理に狙いを定め、フォークの先端を山盛り麺の中腹辺りに刺す。
シノはママトソースが彩る真紅の麺を顔の高さまで持ち上げた。ソースの甘酸っぱい匂いの奥に、どこかハーブ草のような深い苦味も感じられる。
「お味はどう?」ハーブは特に初食者のシノとラノスに問い尋ねた。調理した本人として、第三者の意見は積極的に取り入れたいらしい。
「うん!おいひい!」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/4/23 12:42
クリオネ
来年度まで活動休止中〜♪
※注釈※
時折り過去話に手を加える事があります
(大きく変えた場合は報告します)
定期的なご確認をお願いします。
novelee様の不具合か、
長い文章の一部が
途切れている場合があります。