流血
まさしく、バケツをひっくり返したかのような、という表現が似合う豪雨だった。
傘の中、握る手に温い液体が伝う。
あちらが身動きする度、私の手に、腕に、肩に、ポツポツと跡を遺していく。
私の気を静めようとしていたのかもしれない。しかし、ドクドクと脈打つソレは、より強く握りしめる方へと私を導いた。
必死に圧迫しているというのに、止まらない。この事実が一層焦りを育てていく。
手のひらは既に、ぬるりとした感覚に包まれていた。
以前から異変は感じていたのだ。何ということもない場面で、繋いでいた手が濡れていたこと。寄りかかってきた肩に、じわりと滲んだ色。
もう限界だった。
そんなこと、分かっていた。
もう一度握り直し、そっと傷口を見上げる。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2026/7/13 1:31
白椿
主に小説を書いてます。
気まぐれ投稿です。