紡希(つむぎ)が紡ぐ出会いの宝物 4章 七色の物語
次の日。父の図書館では話があった通り、見学者が来ていたようだ。私はもちろん学校だったが、父が成功したという連絡をしてくれた。私は実に父の頼みを話した。彼女は少し不安そうな顔をしていた。
「私が司書のアシスタントになるってことでしょ?経験不足の私がそんなことできるわけないよ。読書は好きだけど、そんなすごい能力なんか持ってないよ・・・。」
「うーん・・・。私も最初聞いた時はびっくりしたよ。でも、実期待されてるんじゃない?ほら、あの、スカウトみたいなやつ。」
「無理だよ。文章に関することなんて。どうして娘の紡希を選ばなかったの?紡希の方が話しやすいと思うし、企画とか進めるとしたらスムーズにできるんじゃない?」
実はいつも以上に後ろ向きの言葉を吐き出していた。私だって急に有名な人や憧れている人に声をかけられたら、全力で断るかもしれない。その人の足を引っ張りたくないし、その人が作り上げてきた世界を壊したくないのだ。もし、何か大きな失敗をしたら、被害者になるのは自分だけじゃない。だから、簡単に話に乗れない・・・。
「足を引っ張っちゃうかもしれないって思うのは、実だけじゃないと思うよ。誰だってそうじゃないかな。憧れの人は憧れのままの方がちょうどいいんだよ。隣に立つと、不安以外のいろんなものまで見えてきちゃうし抱え込んじゃうから。」
「そうだね・・・。」
憧れは憧れのままがちょうどいい・・・。父や姉の話を聞いて出た答えはこれかもしれない。同じような道を同じ歩幅で間違えることなく歩くなんて、できすぎててどこかやばいやつにしか向いてないんだって思った。違うものを持っているから普通でいられるのだ。だから、自分を限界まで苦しめて憧れそのものを手にする必要はない。やりたければ生まれた時からその力が隠れているはず。才能とかいうやつだろうか・・・。私はもうそんなものはいらない。自分のやりたいようにやればいいと思う。二人の影がそうだったように・・・。
「私やっぱり無理。誘いはすごく嬉しかったけど、ごめんなさいって伝えてくれない?」
「はー?何言ってるの?」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/9/9 9:58
peach
Peachです🍑♡
小説を書くことが趣味の学生です✍🏻🤍
学園ものを載せていくから興味があれば読んでみてね🍀📗
漢字が苦手なので、文字のミスは暖かい目で見逃してくださいww