犬の気持ち その23
「私、思うんよ。大学の教授の人達って、実はバカなんじゃないかって」
そんなことはないだろうし、それでも青の方がバカだと思うが。
夏の太陽がじりじりと体温を上げる。地面も熱い。もう夕暮れなんだがな。
「うちの大学、一応テスト期間みたいなのが決まってんねん。でも、たまに教授が『テスト期間だと、他の講義のテストと被って大変ですよね?』みたいに言って、テストが早めにある時があんねん」
気遣いしてくれているなら、いいんじゃないか。
優しさは、素直に受け取るほうがいいって、青の父親が悲しそうな目で言ってたぞ。
「そのテストを早めるイベントが重なって、結果的にテスト期間1週間前に、テスト期間ばりにテストがあんねん」
優しさが裏目に出たんだな。
時に優しさは、人を傷つけることもあるって、青の父親が真夜中に酒を飲みながら言ってたぞ。
「まったく……、ちょっと考えれば分かるやろ。というか、教授同士で打ち合わせしとけや。報連相という社会人の常識を知らんのかい!」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/8/16 9:18
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。
あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。
カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。