少女
その店は、満月の夜だけ現れる。
看板も灯りもないのに、迷っている人だけがたどり着けるのだという。
扉の奥に広がるのは、瓶の並ぶ静かな部屋。
瓶の中には“目に見えないもの" 言えなかった言葉、忘れたい記憶、もう一度会いたい人の気持ちが詰められていた。
店主は言う。
「ここでは、“言えなかった想い”を売っています。ただし、何か大切なものを置いていってもらうのが決まりです」
その夜、ひとりの少女が現れた。
「妹に“ごめんね”って伝えたいんです。あの日、ケンカしたまま……」
2
閲覧数: 33
文字数: 546
カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/10/24 13:56
最終編集日時: 2025/10/25 3:32
寸志
はじめまして
恋愛小説を書くことが多いです。