心で勝とうと現実では

どうして、なんで私を褒めてくれないの。分かってる、分かってるよ。あの子には届かないことなんて。顔も、声も、頭も、努力できる所も。ゲームだって、なんだって。みんなみんな、私よりあの子の方がって言う。私が一番よく分かってるの。でも私はお姉ちゃんだから、妹より優れてなきゃだから。だから、何かした?大変なことなんてなにもしなかった。必死に責めた。あの子のことを。あの子に勝てるところを探してた。ずっと。あの子を陥れようとした。ずっと。これからも?その方がずっと楽だけど。こんなこと知ってみんなはどう思うのかな。でもみんなが私になれば同じことをするよね。私になれば。逃げちゃだめかな。逃げていいよね。逃げなきゃもう無理。私には努力できる心なんて無かったし、今からできるとは思わないし、やりたくない。逃げてきた、今までも、これからも。私のままじゃ上に立てない。私を捨てる?でもそんなことできないし。私、私だけが絡んでる話じゃない。あの子と私のこと。私だけが頑張らなくてもいいんだ。あの子さえ、いや、あの子の方がと言った、あの人も、あの人も、あの人も、あの人も。あの子がいなけりゃその人たちもそんなこと言わなかったし思わなかった。全部あの子が狂わせた。あの子がいない方が、いる時より世界は正しく動いていた筈だ。
頻 もから
頻 もから
頻(しき)と読みます。よろしくお願い致します。