元彼
三月一日、私は死んだ。死んだと言うのも物理的にではなく精神的に。私の心が、ハートが、心臓が、死んだ!
ハッと目覚めると、また憂鬱な日々が無駄にニコニコしながら私を布団から出させる。私はパンを口に詰めながら走るthe 映画のヒロインの女子高生とは違い至って真面目に、謙虚に五時半起きで朝課外に向かっている。そんな私にも彼氏がいた。恥ずかしながら彼は私の生きる希望だった。※勝手に希望にしてごめんなさい(笑)彼は頭が良くて、ゲームが好きで、周りの人を大切にできる人間だった。はずだった、
ある朝私は彼のベットの上で目が覚めた。彼を見るとそれはそれは気持ちも良さそうに眠っている。その時私は思った。
「あぁ、早く死んでくれないかな。」なぜそう思ったかは分からない、ただひたすらに窓に映る自分が泣いていたのは覚えている。彼は浮気していたのだ。
夜中彼のスマホを見た、自分より年下の、ひとまわり太っている女とのメッセージ。気持ち悪くて彼に気づかれないように何回トイレに駆け込んだだろうか。初めて泣き叫んで彼を起こした。眠りから覚めた彼は何が起こっているのか分からず私にこう言った
「どうしたの大丈夫?」
お前のせいで、お前のせいでこうなってるんだよ。私は正直に言った。「これ誰?浮気?」信じたくなかった。六ヶ月。私と彼が付き合ってそのくらいの時だった。メッセージ上でその二人は付き合っていた。殺したかった、その場で首でもなんでも切って私も死ぬつもりでいた。けどこいつに自由を与えたくなかった。だからやめた。するならバレないようにしてほしかった。もう遅い、彼を許した。これが一回目。
八ヶ月目の記念日、彼とライブに行った。私の好きなバンド。
彼は優しかった、浮気をして、私が許してから人が変わったかのように尽くしてくれるようになった。それが怖かった。ライブの合間にも彼は「かっこいいね、この曲いいね。」と声をかけてくれた。ただその声に私は答えなかった。横にいるこの男に私はもう魅力を感じていなかったのかもしれない。それよりも前のこのバンドの声に、音に打ちひしがれていたかった。横にいるこの男の声を掻き消すくらいギターを弾いて、喉が渇ききるまでその声で私を満たしてほしかった。ライブが終わって帰り道もう別れてもいいなと思った。彼は二回目の浮気をしていた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/3/12 13:23
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
濡れた犬の鼻の下