食育
仕事を終えて、帰り道を一人で歩く。
今日も疲れた。
上司は、相変わらず無茶な仕事を平然と僕に振ってきた。その上、言うことは二転三転していく、結局、よくわからないことになる。
部下は、僕の意図したものとは異なる作業をしていた。そもそも、僕の伝え方が悪かったのか、作業の目的すらよく理解できていなかった。それを怒るわけにもいかないので、なんとか笑顔を保ちながら訂正のお願いをした。
結局、今日も自分の仕事はあまり進まなかった。少しばかり、急ぎの仕事のために残業してから、退勤する。
これが中間管理職か。そんなことを思いながら、とぼとぼと歩いた。
悶々とするけれども、気持ちを切り替えなければ。家には、妻と娘が待っている。彼女たちのためにも、腐った気持ちを引きずっていてはいけない。心配をかけないように。立派な父親、優しい夫でいられるように。僕は、一歩一歩、帰り道を歩きながら、少しずつ気持ちを切り替えていった。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2023/1/22 8:27
最終編集日時: 2023/1/27 1:43
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
尾鰭(おひれ)