犬の気持ち その33

「みどりちゃんは、なりたい職業とかあるん?」  もうすっかりと年明けから季節は進んでいた。とは言っても、寒いものは寒い。犬の俺でも、足を守る何かが欲しいところだ。 「私? 簿記とか秘書検定とかの資格取ったから、それを活かした仕事にしようかなって、ぼんやりとは考えてるけど……。具体的にはまだ検討中かな?」  青とみどりが、何やら大事そうな話をしている。今日は、いつもより散歩の時間が早いと思ったら、みどりと会うためだったのか。  俺としては、散歩できれば満足だから誰がいようが、問題はない。 「そうか……。でも、考えてはいるんやな」 「そりゃねぇ……。もうすぐ大学3年生だし。就活だよ」  就活か。なんか仕事探すやつだろ? 青が、リビングでうわ言のように、仕事……就活……って繰り返し言ってたからなんとなくわかるぞ。 「というか、その言い方。青は、何も考えてないの?」 「……まぁ」
きと
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。 あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。 カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。