消せない跡、消せなかった私

私の隣には、いつも君がいた。 君は毎朝、私の机に刻まれた落書きを必死に消してくれたね。小さな激落ちくんを握りしめて、力いっぱい擦りながら、それでも笑顔で「大丈夫だって」と笑ってくれた。 あのときの君の笑顔は、私にとって世界で一番の救いだった。 「お前はなんかすげぇやつだからさ、心配すんなって!」 何度もそう言って、私を庇ってくれた。みんなの前に立ちふさがって、矢面に立って、私を守り続けてくれた。 でも、ある日。 私への攻撃は君へと変わってしまった。 くだらないあだ名をつけられて、前よりもっと酷く、もっと残酷な言葉を浴びせられるようになった君。
ruki
言葉の欠片集めてます。 上手く言葉にできるように。 感情が溢れ出ないように。