過ぎた日のたね 6

過ぎた日のたね 6
 「中塚さん、どうしたの?」 僕がそう聞くと、彼女は俯きながら答えた。 「あのね、私と一緒に、万引きしてくれない?」 ……は? 僕は返す言葉が見つからない。 「え、それってどういうこと」 「いいからはやく!」 中塚さんはそう言うと、僕の手をグイグイと引っ張った。 このまま着いていく訳にもいかないので、僕は抵抗する。 「いや、ほんと意味わかんないって!」
築2年
築2年