三匹の子豚

三匹の子豚
 ある島に三匹の子豚がおりました  親の家で呑気に暮らしていたのですが、そろそろ独り立ちしなさいと言われ、家を出ることになりました  三匹はそれぞれに、長兄は藁の家を、次兄は木の家を、末っ子は煉瓦作りの家を建てました  長兄は汗水垂らして働く弟達をみて 「馬鹿な手間をかけるなよ、家なんて住めれば良いんだ」  なんてって嘲笑っていましたが、出来上がってみれば、木の家は美しく、煉瓦の家は立派で、自分の家が少し情けなく思えました  しかし、ある朝、島を大地震が襲ったのです  降り注ぐ藁クズの中で目覚めた長兄は、弟達の家に行き、ペッシャンコに倒れている木の家から、たんこぶ作って気を失っている次兄を助け出し、瓦礫の山と化した煉瓦の家から半死半生の末弟を助け出して、自分の藁の家に連れ帰って休ませてやりました  そして鼻高々に弟達に言いました 「言ったろ、無駄な手間をかけるなって。家は手軽なのが一番なのさ」
病葉
病葉
SF、ファンタジー、ミステリー、コメディが好きで、本、映画、ドラマ、どれをとっても鑑賞範囲が狭くて 自分好みな話を好き勝手に書いてます でも、読んでくれたらとても嬉しい 水瓶座 宜しくお願い致します