久遠の図書館6(菜の花編)
霧が晴れ、私の目の前に現れたのは小さな図書館だった。
そのあまりの造形の美しさに幾分見とれていた私だったが、ふと目線を落とすと入口付近に女性がいる事に気付いた。
女性は扉の周りをホウキで掃除をしていたが、私がいる事に気付くと、彼女はニコっと笑顔になり、少し頭を下げて挨拶をした。
「あら……今度は可愛いお客様ね、いらっしゃいませ」
「あ……こんにちは」
「ちょっと道に迷っちゃいまして」
「道に?」
女性はそう言うと手に持っていたホウキをピタリと止め、私の顔を覗き込んだ。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2023/7/26 5:28
相澤愛美(@アイアイ)
仕事柄、完全夜型人間です。よろしくお願いします🙋♀️
感謝▶︎とあるお茶のフリーアイコン様