第一話 練習

「今年の目標は、関東制覇だ。」 今日もこの学校の体育館ではバスケットボールの弾む音とシューズの摩擦音が響いていた。俺はこの音に愛着を持っていて、いつも通りだと思っていた。 山梨の山の方にあるこの学校は、あまり人が居なくて、バスケ部の部員も新部員含め九人。マネージャーもスコア等の一人のみだ。チームの目標は、“関東制覇”である。東京や神奈川がいるのに無謀かと思うかもしれないが、このチームはかなり少数精鋭だと俺の中では思っている。県の中でもトップ三にはしっかり毎年入っていて、しっかり関東でも通じる実力だ。そして、このチームは面白いことに、全国制覇を全く見ていないのだ。普通のチームなら、全国制覇を目標に日々打ち込むだろう。それなのに、ここは違う。何故か全国制覇を目指していない。多分、それは自分たちの実力を思い知っているからに違いない。 去年の夏、俺たちは熱く燃えていた。 次回 第二話 焦り
川布
川布
中学受験期真っ只中の小6! 特に将来の夢とはありません((>_< ;) でも、じゃんじゃんマジレスして下さい! (ドMではありません) 主に連載をしています。 基本的には1日1話分ですが、気分がノッていると、1日3話とかもあります。毎日投稿は一応できる限り続けるつもりですので。 ちなみにフォローは遠慮なく☺️ もちろんフォロバしますよ!