最期に瞳に映すものは

最期に瞳に映すものは
中学3年のとある夏、部活の朝練を終えた僕は汗だくのまま家路についていた。 僕の住む街は海のすぐそばにあり、夏の季節はいつも爽やかな潮風が吹く。 「あっつい……涼しくない……」 風はあれどそれでも日差しの強さの方が勝っていて全然暑さは和らぐことはない。 照りつける熱気に辟易しながら家への道を歩いていた時、堤防に物憂げに腰掛けている少女が目に入った。 白い帽子に白のワンピースを見に纏い、そこから伸びる手足もまた白く透明感があった。
アレックス
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