1話 一目惚れと失態
私には気になっている人がいる。それはいつもこの図書館の自習席、入ってすぐのところに座っている男の子だ。背は平均くらいだろうか。
もちろん喋ったことはない。共テ数学の問題をひたすら解いていたから、おそらく彼も受験なのだろう。ただ彼と一度だけ、そのパッチリとした二重の目と私の一重の目が合って…。
それは間違いなく、一目惚れだった。私はもともと恋愛気質じゃない、むしろ、誰かを好きになったことは一度もない。好きという感情がわからず、告白されてもそっけなく断ってきた。
だからこそ、距離の縮め方なんてわかるわけもない。相手は受験生、いやいや、私も受験生、そんな恋愛にうつつを抜かしてる場合じゃない。
でも一度だけ、話してみたいな。迷惑になるかもしれない、それでも、一度だけ。
気づいたら私は自分の消しゴムを持って彼の前に立っていた。私の行動力には驚かされるよまったく。
「あのー…、」
「ん?」
いやここで普通「ん?」なんて出てくるか?絶対モテるじゃんこの人。
そんなことを思ってるとハッと意識が戻る。そうだ、この消しゴムを、そこらへんに落ちてたテイにして、「君のですか?」と聞きたいんだ。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2026/8/8 8:41
つぶさん
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