幻影 8
作 KKZOU
「豚って体の構造上、上を見れないらしいぞ」
「そうなのか?」
「『飛べない豚はただの豚』っていうが上を見るのが最初の課題だな」
「まぁ、上を向いたところで、空を飛んだところで豚は豚だけどな」
毎度話題が尽きないのかと心配になる会話を聞いていると、視界の端に何かが映る。
「黒いモヤ」
そんな見た目の何かがいた。だが、気にするでもなくそのままにしておいた。この時点で、和咲に相談すべきだった。その日から見え始めた。見えてしまった。霊が。奴らは人の形をしていない。目もなければ耳も鼻も口もない。不気味で歪な形、コピーに失敗した時の線の歪みのような形をしている。奴らは視界の端、そして建物の上、教室や廊下。様々な場所に現れた。特に何があるわけでもないので無視し続けた。ある日。脳を砕くほどの頭痛が突如、襲ってきた。鼓動するように、まるで血管にでもなったかのような痛みに悶え苦しんだ。それは数十分続き、やがて治った。だが、頭痛は不定期に起こった。それだけではない。目眩や吐き気。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/8/4 21:46
KKZOU
KKZOU というものです。
よろしくお願いします。
連載を完結させない才能を持ってます。