紅い紅い星空が見下ろしていた
ガルダから戦闘終了の報せを受け、アルナと彼女の護衛役はアムリタの下へと急ぐ。
ガルダは合流するまでの間、墜落したヘリの中からマイルズとリオラの遺体を探していた。
ガルダの姿を遠目に確認した隊員達は、勝利とは言い難い犠牲の多さと、彼女の沈痛な胸中を察する。隊員の内一人は見張りを務め、他の隊員はガルダと共に捜索に加わった。
発見されたマイルズとリオラは、辛うじて原型を保っていた。
凄惨な姿がアルナの視界に入らないよう配慮しながら、ガルダ達は二人の遺体を運び出し、そっと布を掛けて安らかな眠りを願う。
「ご苦労様、マイルズ。お前は最初からずっと私の味方でいてくれたな。どんな無茶なことにも付き合ってくれて……こんなんじゃ労い足りない。向こうに行ったら、部下と上司の垣根を越えて酌み交わそう。約束だ」
ガルダはマイルズに向けて弔いの言葉を送ったあと、かき集めたダルタンの灰をリオラの隣に積み重ねた。
「すまない、兄を救ってやれなくて。君にアムリタを飲ませてあげられなくて……せめて兄と共に笑顔でいることを願う。ダルタンは私の命の恩人だ。礼を言えなかった私の代わりに、ありがとうと、そう伝えておいてくれないか」
「ガルダ隊長。米国特殊部隊の掃討を生き残った熊が一頭、向こう岸からこちらの様子を窺っています。急いだ方がよろしいかと」
「巨人にやられた隊員達がまだ残っている。彼等も連れて来なければ」
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2022/1/28 13:00
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
アバディーン・アンガス@創作アカ
ローファンタジーや一風変わった雰囲気の作品が大好物。
主にダークファンタジーとかサイバーパンクとか、好きな要素をごった煮した作品を鋭意執筆中です。
「好きじゃないけど面白い」と言われる作品を目指しています。
合間に書いた短編を気ままに投稿していく予定です。