文字だけの関係
台風二十何号かが通り過ぎた。ホテルは冷房も暖房もつけなくてもちょうどいい季節になったけれど、水槽の温度は冬にむけて少し上げておかないといけない。
この頃になると、オーナーの浜本さんに気づかれないように201号室を模様替えするようになっていた。
ポッドの珈琲があまり減ってないから、桃の紅茶にしてみたり、持ち手がハート形のティーカップにしてみたり。
次はスリッパをピンクに変えてみようかと考えていた日だった。Rは十九時ごろに『ピシナム』へと訪れた。最近は声色とかガラス越しの雰囲気なんかでRの調子がある程度わかる。
玄関ドアから受付カウンターまで十歩以内で来たら機嫌が良い。だから今日は調子が良い日だった。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2022/1/4 13:53
最終編集日時: 2022/1/4 13:54
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
久々原仁介
ただ、僕を見てくれ。
この弱い、僕を