罪の鼓動

罪の鼓動
ベッドの奥に小さな地響きを感じる。 『地震が来る。』 それなりの確信とささやかな高揚感がぽっと浮かび上がる。 『不謹慎だ。』 そう頭では思っていても、心臓は徐々に脈打つ速度を上げていく。 2011年の震災の日。まだ幼かった私は、非日常的な出来事にお祭りの日のような特別な感情を抱いていた。 普段は遅くに帰ってくる父も、早々に帰宅していた。 そんな父と、日頃は滅多に会話を交わさない母も、その日はよく父と話していた。
末子 鷹蹴
末子 鷹蹴
基本読む専です。 気まぐれで投稿もします。