追憶の名残〜blue side story〜 第8章 過去へ繋がる森Ⅴ

追憶の名残〜blue side story〜 第8章 過去へ繋がる森Ⅴ
 必要以上に考えてしまっているのは分かっている。その思考を止められないのだ。「うーん」と唸り声を上げ、思考を別の方向へと持っていこうとするが、その方向性が分からない。口を尖らせてみても同じだ。  フレアだって恐怖を抱えている筈なのに、気丈に笑う。 「とりあえず、座ろ! クッションもない、冷たい床だけど」  拒否する理由もないので、頷き、そのままアレクの隣に腰を下ろした。良い会話が思い浮かばない。会話よりもミユを気にしてしまう。今頃、塔の主に会っているのだろうか。影を倒す最終手段である羽根を与えられているのだろうか。過去を見せられているのだろうか。無事に魔法を得ることは出来るだろうか。無事に戻ってきてくれるだろうか。心配は尽きない。 「フレア、大丈夫だ。百年前みたいなことにはならねぇよ」 「うん」
七宮叶歌
七宮叶歌
恋愛ファンタジーな連載と、ファンタジー、時々現代なSSを載せています。エッセイも始めました。 フォロー、♡、感想頂けると凄く嬉しいです♩ 他サイトでは、小説家になろう、カクヨム、NOVEL DAYSで投稿しています。 NSS、NSSプチコン優勝者、合作企画関係の方のみフォローしています*ᵕᵕ お題配布につきましては、連載している『お題配布』の頁をご確認下さい。 小説の著作権は放棄しておりません。二次創作は歓迎ですが、掲載前に一言でも良いのでコメント下さい。 2025.1.23 start Xなどはこちらから↓ https://lit.link/nanamiyanohako お題でショートストーリーを競い合う『NSSコンテスト』次回2026年1月1日開催予定です。 優勝者  第1回 ot 様  第2回 ot 様 NSSプチコンテスト 優勝者  第1回 黒鼠シラ 様