ディープナイトコンビニエンス1

ディープナイトコンビニエンス1
 隙間からギラリと反射しているそれは、刃物であることは間違いない。数秒だったか数十秒だったかの後、心臓の鼓動が倍になった。 「えぇ、うそだろ…」  おれは自分の意思とは無関係に、顔が引きつっているのが分かった。  「一連の事件の犯人は、いわゆる刺身包丁を凶器として使用しており、警察は現在…」テレビからは、最近起きている連続殺人事件のニュースが流れていた。  いつもの時間、いつものコンビニにおれは居た。もうここで働き始めて六年近くになる。今年もクリスマスソングが嫌いだ。 「おい、新人」  新人というのは、昨日入ってきた須磨という男だ。中年で、おでこから禿げ上がっている。 「…はい」
中野水
中野水
昨日、近所を歩いていると「お前、中野だよな?」そんな風に声をかけられた。なのでその晩、カツ丼を食し、空のどんぶりを外へ置いてみた。翌朝見てみると、どんぶりと蓋の間に挟まったマサシが「侍!侍!」そう連呼している。だって僕はコーラが好きなのに。 はあ? よろしくお願いします。