Halcyone

Halcyone
  プロローグ    僕が住んでいた村には、こんな御伽噺があった。  むかしむかし。絵を描くことが大好きな神様は、大地をキャンパスにして、一本の筆に絵の具を付け、世界を描きました。  土の色を下地にして、草木の緑を塗り広げ、水の青は深く、空の青は優しく上から雲の白を乗せました。  それから最後に、沢山の色をまぜこぜにして、筆を振って生き物の雫を無数に落としました。  優しかった神様は、雫からうまれた人々の願いをなんでも聞き入れました。家を建てる土地を描き、畑を描き、雨を描きました。  しかしあるとき、神様は筆を湖に落としてしまいました。湖底に筆が沈んだとき、水はうねり、大地は揺らぎました。  たくさんの人々が犠牲になりました。
王林ほのか
王林ほのか
レトロゲームが好きな起立性調節障害。吹奏楽部アルトサックスのお絵描き大好き情報科高校生。遅筆です。pixivもやってます。 主に長編ファンタジーが好き。二次創作書いてた時期もありましたჱ̒ ー̀֊ー́ )