恋する日,僕の最期をこの言葉に 3

恋する日,僕の最期をこの言葉に 3
光の墓に手を合わせるー凜がいた。急いで駐車場に車を停める。光に軽く手を合わせてから墓の上に缶コーヒーをまた置いておく。 「実は私も結愛さんに用があったんです。私一人じゃどうしようもなくて。」 何が言いたいのかはわかる。彼女もまた光の事を言いたいことを。それを否定する気はなく,協力ができるから喜んで助けたい。 「光の部屋の整理を手伝っていただきたくてお願いしようと思ったんです。そして何かあったら結愛さんにお伝えが出来ると思って。」 「お気遣い本当に助かります。では早速向かいましょう,どうぞ乗って。」 でもひとつ疑問に思った。何故,凜は家族いや遺族と言えばいいのか分からないがそちらに頼まなかったのだろう。理由はわかったがそれは整理していてそこから関するものを一気に見せればいいのに。でもそんなことを聞くことはしない。大切な光の家族を傷つけることをしたくない。そんなことを一人で考えていると 「結愛さんは車で音楽とかかけないんですか?」 「普段は無音ですね,音楽とかかけたいんですけど機械のことについてはすごく疎いですよね。」 「車のナビにブルートゥースで繋いで音楽アプリがあれば聴けますよ,試しに私のでもいいですか?」 「……優しい曲ですね。聞いてて心が安らぐ。
嶌崎月夜
嶌崎月夜
TELLERでも活動しています。読み方はしまざきつきよ,です。普段書くお話は殺し物語ですがここでは恋愛物語を書かせてもらってます。よろしくお願いします。