雨を降らせる魔女の話

雨を降らせる魔女の話
雨を降らせる魔女の話-後編- 「君が……死ぬ?」 僕は恐る恐る尋ねる。 少女は「うん」と何ともないかのように頷く。 彼女は一度、宝石を壊してみようと試みた事があるらしい。 だが、宝石に触れた瞬間に─感じたらしい。 無機物ではなく、"命そのもの"に触れる感覚を。 その宝石が雨を呼ぶ源でもあり、彼女の命の源でもあるという事だ。 「多分。砕いたり引き抜いたりしたら……死んじゃうんだろうね。私」
kedと申す者
kedと申す者
前向きに生きる。そして小説は好きに描く。