本の少女#5

本の少女#5
「…まず、1945年のドイツでの出来事。時空の狭間に挟まれていたのはのアロン・ヴァインライヒさん。絶滅収容所から見事に生き残った素晴らしい人だよ。その後のインタビューの時に彼は世界中の人に賞賛されるはずだった。“貴方は奇跡の一つだ“とね。でも彼は、何かと不思議なことを話したの。 …違うんです。僕は、あの場所に入った記憶と出た記憶しかないんです。それまでは僕は、向こうの世界の教会にいました。 僕はユダヤ教を信仰していますが、全く関係のない宗教です。でもなぜか僕はそこにいました。 向こう側で僕はジュリアという女性と出会いました。彼女は、とても優しくて…神父様は彼女を“神に選ばれた子“だと言いました。僕も彼女がとても素晴らしい人だと思いました。僕は彼女を愛していました。平凡な日々がしばらく続きましたが、ある日、その神父様がお亡くなりになりました。死因は不明ですが、教会のみんなは“神がお怒りだ“と怯え、満月の夜に一番優しい彼女がきっと神様の気を落ち着かせられる、神様からお許しをもらえる。となり彼女は生贄に選ばれ、一晩中五芒星の上に立って、何かを唱えていました。本当は嫌がっていました。まだ生きていたい、と。ですが、生贄であることを拒んだら、神様の優しい存在から逃げることになります。彼女はそれを恐れました。僕に最後に告げた言葉は 私たちは、不思議な関係で結ばれている。 そうだ、アロン。 私、あなたに感謝しなくちゃ。 彼を殺してくれてありがとう。 最後のお願い。
T.I
T.I
はじめまして。T.lです。