元気の源

元気の源
 おばあちゃんは80歳を越えてもとっても元気だった。一人で料理も洗濯もするし、当時学生だった私とスポーツで良い勝負したりもした。友達のおばあちゃんは腰を痛そうにしたり、病院通いしたりしているのにそういう素振りもなかった。  私が少し歳をとって体の衰えを感じ始めた頃、その秘訣を聞いてみたことがある。おばあちゃんは大声で笑って、 「若者扱いされることよ」  と教えてくれた。  80にもなるおばあちゃんを若者扱い? 流石に混じりっけのない白髪で、こう言ってはなんだが皺もたくさんある。若者には見えない。  どういう意味かは聞いても教えてもらえず、すごすごと家に帰ったのを今でも覚えている。  結局、おばあちゃんは102歳で亡くなった。最後の最後まで元気だったので、悲しかったけれどポックリと逝ってしまったのはらしいとすら感じた。  葬儀を終えた数日後、片付けに時間をとられ近所のラーメン屋で手早く夕飯をすませることにした。 「らっしゃーい! お姉さん、お好みは?」
白水縁
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