かきおき
これを読んでるってことは私は死んだのかな? それとも、 貴方がたまたまこれを見つけて読んでいるのかな? どちらにしてもこれは貴方のために書いたものではなくて、 私が私の尊厳を守るために書いたもの。
だから、 私が貴方に侮辱されないように貴方の知らない私を私のために綴ります、 例えば少し前に話題になった、 死刑になりたいから人を殺した人の気持ち、 私は分かるんだ、 貴方は「関係の無い人を殺すぐらいなら勝手に車で海にでも沈めばええんに」「ほんとに迷惑やわ」と、ニュースを見て言っていたけど強いあなたには私みたいな弱い人の気持ちは分からないんだろうね、 自分の体にカッターの刃を当てて死んでしまおうと力を入れても、 刃を動かせないの、 涙は流れ落ちてってそれでも動かせない自分がすっごく嫌になってこんなだから私はって、 何度も思った、 それでも私の手首は傷一つ無い綺麗なままで、 だから自分は傷付けられなくても他人なら傷付けられる思いに共感出来ちゃうこと、 他にも私は貴方の言葉通りに生きてきた、 貴方が「娘はチーズが好きなの」って、 言ったから私はチーズを優先して食べるようになった、でも黄色いチーズや貴方が好んで食べていた白いチーズは大嫌いだった事、 貴方が「娘は方向音痴だから」って、 言ったから車の窓から覗く景色に頓珍漢な場所を言った、でも1度通った道はちゃんと覚えてるし貴方がいない時に迷ったことが無い事、 貴方が「娘はズボンの方が好きみたいで」って、 言ったから私はズボンばっかり履くようになった、でも本当はワンピースやスカートの方が欲しかったし店員さんはスカートばっかり見てるのに気づいてくれてた事、 貴方が「娘はインフルエンザとかなったことないから」って、 言ったから小学校の時罹ったインフルエンザも忘れたし、 冬は好きな外遊びも封印した事、 貴方が「娘は運動できないから」って、 言ってたから好きだったバスケの習い事も辞めて、 体育の授業も見学してた事、 貴方が「娘はよく食べる子で」って、 言ったから食べてる途中でトイレで吐いてでもお兄ちゃんと同じ量を食べてた事、 私が担任に首を絞められて泣いて帰ってきた時、 貴方が「私の時はそんなん当たり前やったのに」って、 少しイラついていたからそれからは殴られても蹴られても泣かないように頑張った事、 後々周りから「娘さん学校で厳しくされてるみたいやけど大丈夫?」って、 聞かれて「娘はダメな子だから多少のことは仕方ないんよ」って、 私の前でヘラヘラと言っていた時初めてなんで生まれてきたんだろって思った事。 これだけじゃないよ、 でも全部貴方が私の母親だった証、 貴方が私の心に刻んだものだから、 私のために忘れないで欲しいの。 娘からの最初で最後のお願い。
私はもしドラえもんのひみつ道具があったらタイムマシンで産まれたばかりの自分の首を折って殺してしまいたい、 そんなことばっかり考えてる、 死にたい理由は沢山あるけど、 死なない理由は無いし生きたいという思いも希望も無くなったの、 こんなこと考えるのは貴方のせいじゃないよ、 あくまでこんなことを考えるのが本当の自分だっただけ、 むしろ知ることが出来て良かった、 きっとどこに生まれても私はこうだから、 気にしないでね、 私に沢山のことをおしえてくれてありがとう。
貴方は私の母親だったことは1度も無かったけどね。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2024/2/6 12:37
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
林檎ノ芽
文語自由詩大好き♥️
現在進行形で勉強中……