雨乞い
これは、今は無きとある集落の話。
山の最中、川により開かれた土地であった。その成り立ちに反して、水に恵まれぬ土地であった。
そこでは、毎年ある時期になると雨乞いの儀式が開かれた。かつて川が流れ出た源にて、選ばれた栄誉ある者が舞を踊るものだった。
年ごとに異なる者が披露した舞は、どれも見事であった。何処にいるかも分からぬ神でさえも、喜びて雨をもたらす程であった。
人々はその喜びを有難く頂戴し、乾いた日々の潤いとした。その日々は、いつしか必ず訪れるものと思われた。
ある年、舞にて失態を犯した者がいた。しかし、雨は当然のように与えられた。
暫し、その失態は誰とも知られずに日々が過ぎた。だが、ある時誰もが感じ取った。
雨が、止まぬ。
舞を踊った者は、あらゆる人々から問い詰められた。その親でさえ、舞を踊った者を罵った。
0
閲覧数: 109
文字数: 779
カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/12/23 7:11
最終編集日時: 2025/3/12 7:10
白椿
主に小説を書いてます。
気まぐれ投稿です。