猫の銅像-6話 清、ありがとう
血だらけの手に満天の星空。どんなに勘違いをしても、一緒の分類にすることはないだろう。
「小町、すまない」
清は、涙ながらに謝った。
「なに?なんで泣いているの?」
小町は不思議がりながら笑う。その笑顔に清の心はすごく胸が締め付けられた。
「す、」
清の頬には、水が流れた。それに気がついた清も、小町も、言葉を失った。
「なん………」
どちらの言葉も夜の暗闇に消えていった。真っ黒ではなく、紺色でもなく。でも、黒色というしかないこの夜の色に、飲み込まれるように消えていく。川の濁流が、溺れる人の命を軽々しく飲み込むように。強いなにかしらの力によって、2人の言葉は飲み込まれていった。
「清?」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2023/4/3 13:59
最終編集日時: 2023/4/3 14:00
八神天
演じてる人生でもいいじゃないすか!