「第3回N1」グレースケールの世界から、
20XX年、世界は突如として「色彩」を失った。突然、空にヒビが入ったと思うや否や、灰色の人ならざる者が現れたのだ。数体ほど出ると各々が、未知の力で世界中の色を吸い取ってき、その体に吸い取った色がついていった。そして、今の白黒写真の様な世界に変わっていった。人々はその人ならざる者を「色災」と呼んだ。
「総天然色の黙示録【序章】より」
我々の世界はこの序章から数百年後。もはや、色がない世界が当たり前として受け入れられている。バラの色といえば濃い灰色だし、人間の手は薄い灰色。グレースケールの空が世界を覆っており、そこにかつてあったと言われる鮮やかな朝の青や吸い込まれそうな夜の藍などは無い。今ではそれが当たり前なのだ。人々から色彩と呼ばれるものは、最早、神話の様な何かという扱いである。私は今もどこかにそれがあると信じて研究を続けている。この本を読んでる君も旧世界の色に想いを馳せながら読んでもらいたい。
「『総天然色の黙示録』から見る本当の世界」から引用
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ある本に感化された高校2年生を迎えたばかりの僕は友達の目の前で堂々と宣言する。
「この僕は見つけるんだ!かつての色彩を!」
「そう、どうやって?」
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2024/1/13 23:19
紫陽花
そこらへんに生えてる紫陽花です。
夢は漫画家、そのためにストーリーを練ってます。
小説や漫画はなんでも読みます。
バトル、ハートフル、ラブコメ、BL…なんでも御座れ!