薄灰色

 遺灰。  遺族が箸で遺骨を摘み、骨壺に二人がかりで入れていく。皆、痛くないよう音も立てぬほど慎重に入れる。それはただの物質でもあり、顔が浮かぶようなものでもある。  一通りの流れを終え、そこに残ったのは遺灰だけになった。エアコンの微弱な風でさえ飛んでしまいそうな、人だったはずの灰である。  斎場の裏にある、小さな四角の灰皿と曇りガラスの壁だけでできた喫煙所へ向かう。  目暮さんがいた。 「目暮さん、いたんですね」  私は煙草を取り出す前に声をかける。目暮さんの顔はかなり疲れており、くまが目立った。化粧は厚く、表情は沈んでいた。 「あぁ、君か。お疲れ様」  サポートが主で、それすら完璧か怪しかったが、労いの言葉を素直に受け取り頭を下げる。目暮さんの思っていた以上に明るい表情を見て、煙草に火をつけた。
K
色々書いています。