#2

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生まれつき大人しい性格で、いじめれっ子気質だった。神経質で、繊細で。私は、私自身が大嫌いだった。私は圧倒的弱者で、強者に踏み躙られる。 中学校に入学と同時に、社会の荒波を全身で受けた。 彼と出会ったのは、私が朝寝坊をして、遅刻しそうな時だった。下駄箱のロッカーを開けて、内履きを取ろうと思った時、私は妙な違和感に気が付いた。 外履きを脱いでいる途中で、下を見ながら下駄箱の中に手を突っ込んだ。 内履きが無いのだ。恐る恐る顔を上げて、中を覗いて見た。あるはずの内履きは、魔法で姿を消されたかの様に、姿をくらましていたのだ。 私は途方に暮れていた。始業を知らせるチャイムはもう直に鳴る。まずは何をするべきかと、必死に作戦を練っていた。 「大丈夫?」 突然、背後から声を掛けられ、私は振り返った。スラッと背の高い、色白な男子生徒が立っていた。制服のネクタイが緑色だった。ようやく、三年生だと気付いた。 「内履きが無くて…。」 私は震えて細い、精一杯の声を捻り出した。
まる
まる
学生です。 思いついたのを文章化しているので、内容は浅いです。 マイペースに投稿するつもりなので、よろしくお願いします!