-1日

 今日も彼女の席は空席だ。彼女がいなくても、クラスメイトはいつもと同じ日常を過ごしている。  彼女の席には、彼女の代わりにクラスの陽キャ女子が座っている。彼女が今ここにいないから、断りを入れる必要が無いと思って座っているのだろう。  だけど、僕にはそれが許せなかった。楽しそうに談笑しながら昼食を食べるその女子から、今にも「あの子がいなくてラッキー」と聞こえてくるかのようで、見ていられなかった。別に、そんな気はないのは分かってる。でも……。  悪い妄想で自分の頭が満たされないように、僕はそっと教室を出た。
野刈魁(ノガリヤス)
野刈魁(ノガリヤス)
心優しいウォンバットです 基本的に脚本を書いています はりこのトラの穴 (https://haritora.net/script.cgi?writer=9705) もよろしくお願いします 無言フォロー御免