社畜は今日も仕方なく仕事に行く
目覚ましとして設定している曲が耳元に置いてあるスマホから鳴り響いて目を覚ます。
そして、対して役に立たない裸眼視力を強制的に向上させる為にベッドボードに置いてあるメガネケースから眼鏡を取り出して装着する。
人並みに良くなった視界が今日の天気を映し清々しい青空を見て、思わず深い溜息が溢れ出た。
「めっちゃ天気いいのに仕事とかマジ萎えるわ………」
とはいえ、今日は残念なことに作業やら何やらがフィーバーしているので休む事もできず、やれやれと思いながら仕方がなく寝巻きから白っぽい灰色の作業着へと着替える。
所々油汚れや土汚れが目立つのでそろそろ替え時かなぁと思いながらもついつい汚い作業着を着てしまう。だって新しい作業着汚したくないんだもの。
着替え終わってリビングに降りて行けば、ソファ前のテーブルに一つの写真立てとほかほかと湯気を登らせる自分のマグカップが置かれているのが目に入った。
ソファに腰掛けて程よい温度にぬるくなった墨汁色のそれを啜ると口の中に程よい苦味が広がり、寝ぼけていた頭を少しだけクリアにする。
「相変わらず眠そうな顔ね」
「はは、これは眠いんじゃなくて怠いんだよ」
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文字数: 1990
カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2021/9/16 7:07
最終編集日時: 2021/9/16 9:05
ナナシ
今日も静かに生きてます。
prologue様にも出没し、極々たまに小説を投稿してます。