きなこ

きなこ
あるところに、百年以上を生き、尻尾が裂けた猫又がいた。 夫や子猫達には先立たれ、一人寂しく、しかし平和な生活を送っていた。 これはそんな猫又と、猫又が愛してしまった人間達の哀しいお話。 わしには好きな男がいる。 その男は、人間だった。 名は和臣と言う。 その男には愛する妻と、一人娘がいた。 妻の名は美世。 娘の名前は和美。
姫宮
姫宮