すき間商店 第五話
それは抄子のささやかで幸せな時間だった。
幼少期、一人娘の抄子は、夜寝る時は両親の間で眠っていた。
ふわふわで暖かいベッド。毛布から顔を出した幼少期の抄子に両親はどちらかが毎晩、読み聞かせをしてくれた。
心がほんわかと温まるようなそんな物語が多かった。
そして、物語を読み終わると抄子に言った。
「抄子ちゃんはお母さんとお父さんの宝物だよ。抄子は賢い子だよ。立派な大人になるんだよ。」
この時間、抄子にとっては最も愛を感じる時間だった。
小学5年生になってからは一人部屋に移り、自然と無くなってしまったが、抄子にとっては今でも特別幸せな記憶だ。
0
閲覧数: 37
文字数: 1261
カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/12/28 14:23
スカビオサ🪻
27歳会社員をしています。
自己表現の場として自分の作品を掲載していきたいと思います📖
少しでも感情を揺さぶれる作品を書いていきたい思います✏️