『蔓の記憶』

『蔓の記憶』
真白(ましろ)は、駅裏の古い路地にある温室を訪れた。 そこには「朝顔屋」という、時期外れの花だけを扱う不思議な店がある。 店主は、無表情の青年だった。名を尋ねても答えない。 代わりに、蔓の絡まる鉢をひとつ差し出してきた。 「この朝顔は、あなたが忘れたい人の記憶を吸います」 真白は笑った。「そんなの、花屋のセールストークでしょ」 けれど、彼女は鉢を受け取った。
エデン。
エデン。
小さい頃からお話と詞を書くのが好きでした。 過去に書き溜めた物語や、最近書いた物語を載せていきたいと思います。 イラスト/ノーコピーライトガール様