第3章・第13話 また一人、また一人

第3章・第13話   また一人、また一人
「あれれー?どうしたの、アクト?さっきからボーッとしちゃってぇ〜。」 ココミがさっきからずっとこの調子で俺に呼びかけてくる。怖い。いつものココミはもっと言葉の斬れ味が鋭くて、厳しい。なのに、今はどうだ。 「大丈夫よ〜。心配しなくてい〜んでからね〜。」 ずっと俺に優しい言葉を投げつけてくる。こんなの、ココミじゃない。体はどう見てもココミなのに、俺はそれをココミだと認識できない。 どうしたものか……と悩んでいると、廊下からドタバタと足音が聞こえた。 「こんにゃろテメェら!」 「あっ」 バタン! 大きな音を立てて、扉が開かれた。
如月
如月
そこら辺にいるただの学生です。よろしくお願いします。高評価やフォローをして頂けると、僕が狂ったように喜びます。 現在連載中の小説:「この荒廃した未来から」