第3章・第13話 また一人、また一人
「あれれー?どうしたの、アクト?さっきからボーッとしちゃってぇ〜。」
ココミがさっきからずっとこの調子で俺に呼びかけてくる。怖い。いつものココミはもっと言葉の斬れ味が鋭くて、厳しい。なのに、今はどうだ。
「大丈夫よ〜。心配しなくてい〜んでからね〜。」
ずっと俺に優しい言葉を投げつけてくる。こんなの、ココミじゃない。体はどう見てもココミなのに、俺はそれをココミだと認識できない。
どうしたものか……と悩んでいると、廊下からドタバタと足音が聞こえた。
「こんにゃろテメェら!」
「あっ」
バタン!
大きな音を立てて、扉が開かれた。
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2023/5/4 9:13
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
如月
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現在連載中の小説:「この荒廃した未来から」