誰にもいない君へ

誰にもいない君へ
第一章 現実逃避のボタン ⸻ バイト帰りのコンビニの明かりだけが、夜道を照らしていた。缶コーヒーと半額のサンドイッチ、レジ袋のガサついた音が指に冷たい。 家に着くと、いつものように洗濯物を跨ぎ、ゲームの起動音を無視してパソコンを立ち上げる。 Twitterを開く。
あさき希(あさきのぞみ)
あさき希(あさきのぞみ)
世界観なんてない。 自分らしく生きる羅針盤すらない。 存在を証明する計算式もない 指折り数えること その日を繰り返す為に