お題【本棚】

部屋の隅に置いた本棚は、もともとこんなに大きかっただろうか。 大学に入ってから買ったはずなのに、いつの間にか背が伸びて、幅を増して、気づけば壁一面を占領している。 けれど、入っている本は少ない。 空白の段ばかりが目立って、まるで誰かを待っているみたいだ。 昔、誰かに言われたことを思い出す。 「好きなものを詰め込んだ本棚は、その人の形みたいでいいよね」 その時は頷いただけだった。 今になってようやく意味がわかる気がする。
如月凪央
如月凪央
如月 凪央(きさらぎ なお) 日常の隙間に落ちる感情を書いています。 派手な展開より、ひとことの沈黙や、言えなかった一言の方が物語になると思っています。 恋愛は好きです。 綺麗なだけじゃ描けないところまで含めて。 更新は不定期。 書けるときに書きます。 読んでくれた人の時間を少しでも奪えたなら、それで十分です。 いいねや感想は励みになりますが、義務ではありません。 読む人も書く人も自由であってほしいので。