空白の世界に彩をつけた

ねぇ、死んでよ そう言われないよう、見捨てられないよう、私はずっと人の顔色を窺って生きてきた。 親の言う通りに視界から彩を拒絶して何彩にも染まらないようにしていると、小さい頃は彩鮮やかに見えた世界にはほんの少しの彩しか無くなった。 それは、僕の記憶にある中で一番古い言葉。そして、1番傷ついた言葉。 幼心にそれが両親の本音だと悟った。 僕は親が大好きだ。だから昔から親に嫌われないよう必死だった。辛そうにすると怒鳴られることを知ってからは常に笑顔でいる癖がついた。たまに優しくなって褒めてくれる親。そんな親が声を荒らげずに済むよう日々努力した。 親は暴言を吐くことはあるけれど、手を挙げたことは無い。それは僕を愛しているからなのだろう。本当に愛していないのならば手を上げることも躊躇わないだろうから。子供に手を上げる親に比べれば、高校に行かせてくれる親を持った僕はとても恵まれていて だから僕が屋上から飛び降りようとしているのは親のせいじゃない。ただ疲れたから。
みお