桜と平盃

桜と平盃
厳しい寒さを乗り越えた日本は、南から徐々に暖気が這い寄ってくる。 三寒四温の天気を繰り返し、やがて暖かい日が続くようになる。 桜は蕾を開き、全身を鳥肌の鎧が覆う程、狂気を感じる程に桜が咲き乱れている。 「先輩、お花見に行きませんか?」 大学のサークルの後輩が、俺に声を掛けた。同期に誘われ、半ば強引に入らされた、この水泳サークル。 怠惰な日々を送っている俺にとって、水泳サークルは体型維持をするに相応しいサークルなので、結構気に入っている。お陰様で、だらしのない生活をしても、腹は弛まない。逆に割れている。しかし、ことある事に集まって酒を飲むのは、あまり好かない。 「花見か…。」 集まって、賑やかに騒ぐことを苦手とする俺は、あまり乗り気ではなかった。 「先輩来てくれたら皆喜びます!」 俺は後輩の圧に押し負け、後日、花見に行くことになってしまった。
まる
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学生です。 思いついたのを文章化しているので、内容は浅いです。 マイペースに投稿するつもりなので、よろしくお願いします!