昇華

思えばこの日からだったかもしれない。彼女が人生の選択を迫られていたのは。 ある夜、彼女が電話口で話した。 俺といる時はそこそこ明るく話してくれる彼女だったが、この時は違った。 「大学で…できた友達とね…結構長い時間一緒にいるんだけど…やっぱり気を遣いすぎちゃって……少し…疲れちゃったなー…なんて。」 比較的自由度の高い大学生活で彼女は生きづらさを感じていた。 辛そうに、苦しそうに、一言一言丁寧に吐き出すように。 言葉を詰まらせながらゆっくりと。 彼女は泣きながら俺に訴えた。電話中に泣いたのは初めてだった。
星月
星月
私の体験がほとんどです。元気にやってます。