透明
ラムネの中に入っている透明なガラス玉が小さい頃好きだった。
飲むのに時間がかかって炭酸の抜けたラムネを一生懸命に飲んでいた。
しかし、飲み終わってもどうもしない。できない。
硬い蓋を幼い私が開けるのは至難の業だった。
最近だと珍しいラムネが店頭に並んでいる。
懐かしく思って買い、炭酸の弾けを楽しむ間もなく夏の暑さと一緒に飲み込む。
空っぽになってしまった瓶の中からあの頃のままのガラス玉が覗いている。
ラムネの瓶に手を伸ばした時見慣れた制服があることに気がつく。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2025/7/15 5:37
マグカップ