【超短編小説】「色とりどり」

 入院中のお母さんのお見舞いに行った。  病室のドアを開けようとした時、病室の中から変な音が聞こえてくることに気づいた。  ガサガサ、ガサガサ。  何の音だろう。  扉を開けるとお母さんが眠っているベッドの横に女の人がいて、背中を丸めて何かしている。服装を見ると、看護師さんではないようだ。 「あのー」  と僕が声をかけると女の人は振り向いた。  口の周りに色とりどりの折り紙の欠片がくっついていた。その人はお母さんのベッドに飾られていた千羽鶴を、食べていたのだ。 「何してるんですか」  と僕が尋ねると女の人は、
六井 象
六井 象
短いものを書いています